ドアの交換 DRS-DrifterRoadster-


Last Modified: 04/06/2003 01:43:18

はじめに

パワーウィンドの修理とドアの交換についてです。
ロードスターのパワーウィンドは年数が経つと、とても穏やかな動きをします。グリスアップでとても気持ち良くなるので、お試しください。
ドアの交換は・・・。
人間、誰しも失敗はあります。被害を最小限に食い止めることと、同じ失敗を繰り返さずに教訓化することが大切です。
たとえば、助手席にタイヤを積んでいたとします。室内やトランクの狭いロードスターではよく見られる光景です。他の荷物の積み下ろしをするために助手席のドアを開けました。たまたま締め忘れ、タイヤに隠れてドアは見えず、NA6の暗い暗いルームランプでは警告にならなかったとしたら・・・。進んだ先に電柱があったら。そんなあなたに送ります。
板金・塗装というのは結構お金がかかります。私の超精密な計算ですが・・・
板金に一日、塗装に一日必要だったとします。職人さんの日当が二万円だったとすると労務費の合計は2万円+2万円で4万円。
部品代なんて、スライドハンマに使うワッシャーや塗料代ぐらいだから、無視します。
職人さんが仕事をするためには、社長や事務の人も仕事をする必要があります。いわゆる経費ですね。30%ぐらいかかったとすると4万円×30%で1万2千円。
合計で5万2千円。
新品のドアでも、ディーラーさんにて2万円台で入手出来るはずです。ドアのみで塗装はしてないと思いますが・・・。もしかしたら内装やガラスも付いてないのかなぁ?プロの板金代と比べると似たようなもんです。
塗装は自家製高級缶スプレー塗装・・・。色は少々異なるかもしれませんが、ムラは出るかもしれませんが、グラデーションがかかったりするかもしれませんが、艶が足りないかもしれませんが・・・錆びなきゃいいんだ。
ま、塗装は板金と比較すると暇と時間で何とかなりそうな気がします。
更に、状態の良い中古品があったりすると入替えで済むから楽です。
解体屋さんは結構IT化が進んでる業界のようなので、ネットで検索してもらうことも可能です。
で、わたしは9,500円(送料込み)で同色のドア(PWレギュレータなし・エクボ3箇所)を買いました。 ぶつける前の状態よりも良い物でしたので、まぁOKでしょう。
では、取りつけましょう。

工具

必要となる工具は以下の物です。
ソケットレンチ
エクステンションも必要になります
メガネレンチ
板ラチェがあると楽チンなのに
+ドライバ
ジャッキ
車載の物でOK
ハンマー
大きさはお好みで
プライヤやペンチの類
シリコングリス
適当なグリス

内貼りの取り外し

まず、内貼りを取り外します。内貼りはドアハンドルとドアノブ・ファスナーでドアに固定されています。
ドアの室内側
ドアハンドル部はねじが3ヶ所(内1箇所はキャップがついてます)と内貼下部のパネルの外周にくっついているファスナーでドアに止められています(下の写真の青いのと白いの)。室内側のドアノブの部分にもねじがあります。
ドアの内側
スピーカパネル
スピーカパネルはファスナーでくっついているだけです。
ファスナーは樹脂製で割れやすいので気をつけて外してください。内貼りのパネルも非常にもろいので強引に引っ張ると破れてしまいます。
ねじ・ファスナーなど固定物を全て外し、内貼りのパネルを上に持ち上げると外れます。

スピーカの取り外し

スピーカは、3箇所でねじ止めされています。このねじを解くとスピーカが外れます。固着してたりするかもしれませんが、強引にはがせば外れます。この純正スピーカもしっかりとくっついてたので、ドライバを当てて叩くと簡単に取れました。
スピーカの取付部
コネクタがスピーカに挿してあるので、これを外すとスピーカは完全に外れます。

ビニルシートとドアノブ(室内側)の取り外し

ドアにくっついているビニルシートをはがすために、まずドアノブを外します。
室内側ドアノブ
2本のリンクロッドが繋がっています。下側のロッドはノブ側で、上側のロッドは反対側で外します。接続は樹脂製のファスナーです。外し方は・・・現物見ると分かると思います・・・書きにくいのですが・・・ロッドを挟んでいるツメを外すとファスナーからロッドが抜けます・・・ほら書きにくい。劣化してくると脆くなっていると思いますので、低年式車は慎重に外しましょう。
上のロッドはシートを少しめくって外します。シートはブチルゴムでくっついていますので、はがすときに結構伸びて、さらに垂れます。服に付着するとなかなか取れません。気をつけましょう。
ロッドが外れたら、ノブを固定している3本のビスを外すとノブが外れます。
ノブが取れるとシートが完全にはがせます。

ドアノブ(室外側)の取り外し

ドアを交換するとカギが合わなくなるので、室外側のドアノブを移植する必要があります。
異なると使いにくいので、移植した方が良いでしょう。気にしなければそれまでですが・・・。
ドア・トランク・グローブボックス・コンソール・イグニションのカギを全て異なる物にすればセキュリティは向上しますが使い勝手はとても悪くなります。
室外側ドアノブ
ドアロックユニット
うまく写真が取れてませんね。
2枚とも左側がドア上部です。当然、右側がドア下部です。
左にくっついている塊が屋外側のドアノブ、下の写真の右側にくっついている塊がドアロック部です。
この2つをつないでいるロッドのうち、手前の黒いのがドアノブ、奥の細いのがカギ用のロッドです。
カギ用のロッドはドアノブ側のファスナーで外します。
ノブ用のロッドはロック部側で外します。この部分は調整用にロッドに山を施し、これを包み込むファスナーがついています。外し方にコツがあるようで、こつが分からないとかなり硬いです。割らないように気をつけましょう。
ドアノブは2本のナットでドアにくっついています。写真の赤い塊がそれです。錆びてますが・・・。

ついでに調整方法を書いておきます。
ノブ用のロッドの、ノブ側はルーズホールになっています。ドアノブを動かしてノブから出ているピンがルーズホールに当たったところからリンクが動き出します。
動き始めるご希望位置でドアノブを固定し、その位置でロッドのルーズホールのロック部側をドアノブのピンに当て、その位置でファスナーを接続します。
ドライバなどでドアロックを動作させて、ノブでドアが開くことを確認してください。開かなければ再度調整です。手でロッド引っ張れば開きます。

ガラスの取り外し

ガラスの取付部
ガラスは上の写真の3本のビスで固定されています。このビスを外すとパワーウィンドとガラスは分離されます。
写真は、ガラスを少し下げた状態です。この状態でないと作業できません。
どこまでもガラスが上がっていくと最終的にレールから脱落したり、ドアから外れたりするので、ストッパーが付いています。 ので、ストッパーを外さないとパワーウィンドと分離してもガラスはドアから外せません。
ガラスのストッパー
上の写真でボルトナットが5個並んでいますが、左から2番目と右端がストッパーを取り付けている物です。この中側にL字型でゴムの付いたストッパーが付いています。取付部はルーズホールになっているので上下を調整して幌とのあたりを調整します。多分、このボルトはエクステンションがないとレンチで触れないと思います。
ちなみにストッパーはゴム部が下側です。
で、ストッパーを外すと(緩めて横向けるだけでも可)ガラスがドアから取り出せます。

パワーウィンドユニットの取り外し

モーターの取り付け部
パワーウィンドのモーターは写真の3本のナットで留められています。写真に写っていませんが、写真左下あたりの中側で電源のコネクタが繋がっています。
ナットを緩め、コネクタを外します。
レールの取り付け部
次に、ガラスをガイドしているレールの取付部を緩めます(外してもOK)。写真中央付近に移っているボルトナットです。これを緩めるとレールが少し動くようになります。
このレールを動く状態にしないと、レールと干渉してパワーウィンドのモーターが取り出せません。レールが動いてもナカナカ取り出せません。頑張ってください。
モーターが取り出せたら、ワイヤーを留めているファスナーもドアから外してください。
このガイドにグリスを塗ると、結構動きが良くなります。
PWレール上部取り付け部
次に、レールを取り外します。
上の写真の5本のボルトのうち、真中とその右側の2本です。
PWレール上部取り付け部
同様に、下側も上の写真の2本のボルトを取り外します。
これでパワーウィンドのASSYが取り出せます。
PW ASSY
取り出すとこんな感じです。せっかくなのでワイヤーが擦れる部分や稼動部分にはたっぷりとグリスを塗っておきましょう。

ドアの取り外し

では、いよいよドアの取り外しです。 まず、写真はありませんがドアとボディの取りつけヒンジあたりにPWとスピーカ用の配線が入ったゴムチューブがあります。ボディ側のチューブ固定部を外すとボディ内にコネクタがありますので取り出して外します。
ジャッキ
ドアを全開にしてドアの真中あたりにジャッキを掛けます。ジャッキの頭に軍手でもかぶせて養生をしておきましょう。ドアって結構重いので、ジャッキでも掛けて支えておかないと、取り付けてるボルト緩めるのが大変です。
ドア取り付け部
上の写真は既にドアが外れた状態ですが、コネクタの取りだし付近にドアストッパー用のピンが付いてます。下からハンマーで叩いて抜きますが、これでは下に出ている分しか叩けないので抜くことは出来ません。かなり硬く入っているのでウォーターポンププライヤ(長い名前やな)で引っ張っても抜けませんでした。
抜き方を悩んだのですが、ピンの上側にリブが付いているのでこの下をウォーターポンププライヤで握り、プライヤーをハンマーで下から叩きました。作戦成功!。これで抜けます。
これが抜ければ、ボディと繋がっているヒンジに留めてあるボルトを外せばドアが外せます。私のソケットレンチは入らなかったのでメガネで外しました。板ラチェがあるととっても楽でしょう。
ドアが外れました
無事、ドアが外れました。

ドアの取り付け

取り外しと逆の手順で取り付けられます。
取り外しは一人で十分出来るのですが、取り付けは一人では苦しいです。ヒンジのボルトを1個とめるまでだけで良いのでお手伝いを用意しておきましょう。
完成
無事完成しました。